訳わからん、の極致。
巨匠ヴォネガットのSF小説。
タイタンの妖女
タイタンの妖女 |
あらすじ
時空を超えたあらゆる時と場所に波動現象として存在する、
出典:裏表紙より
ウィンストン・ナイルズ・ラムファードは、
神のような力を使って、さまざまな計画を実行し、
人類を導いていた。
その計画で操られる最大の受難者が、全米一の大富豪
マラカイ・コンスタントだった。
富も記憶も奪われ、地球から火星、水星へと
太陽系を流浪させられるコンスタントの行く末とm
人類の究極の運命とは?
どう、わけわからないかというと、
飛び石のように、場面がジャンプして次々変わっていくので、
順に読んでいくと、
「なぜ」「いつから」「どこにいる」が迷子になる。
しかも、語り口も伝聞調が入り混じるため、
素直に読もうとすると、めちゃくちゃ混乱する。
章ごとに分かれた、短編集だと思うと、読みやすいかもしれない。
この読み方は、あながち間違ってないんじゃないかと
個人的には思っているのだけど。
というのも、最後の最後。
ラムファードの言葉でハッとする。
これは、全て同時に起きてることなんだ。
と気づかされる。
それは、物語のはじめから、
ラムファードがずっと口にしてきた言葉。
しかし、序盤は受け流しがちな言葉。
物語の最後、コンスタントと同じ冒険を味わってきた読者は、
やっと、その言葉の意味に気づく。
実感を伴って響いてくる。
1読目はマラカイ
2読目はウィンストンが主人公に見える。
不思議な小説。
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