“漂う哀愁”クライ・マッチョ

映画

すごくすごーく哀愁を感じる映画の話

クライ・マッチョ

出典:クライ・マッチョ 公式HPより引用

データ

公開:2022年(日本)
製作国:アメリカ

あらすじ

かつてロデオ界のスターとして名を馳せた
マイク・マイロ(演:クリント・イーストウッド)は
落馬事故を機に落ちぶれて、孤独なひとり暮らし。
 
そんなある日、元雇い主から
メキシコにいる彼の息子ラフォを
誘拐してくるように依頼される。
 
ストリートで生きるラフォを見つけたマイクは
彼を連れて、メキシコからアメリカへの
旅を始めるのだが。

クリント・イーストウッドさんの
監督50周年記念作品と銘打たれた本作。
現在は御年91だそうで。
 
本作を見て年齢の割に感性の部分は、
まだ若いと感じました。
 
そう感じたのはカットのテンポの速さ
 
近年のハリウッド映画は
1カット1カットを短くして、
速いテンポでたたみかけるように見せるのが普通。

で、クライ・マッチョもそんな編集をしてます。
 
実際は編集マンがやっていたと思いますが、
GOを出したのはイーストウッドのはずなので、
今のテンポというのを知っているのかも。
 
 
「クライ・マッチョ」のなかで
主人公マイクの心理・境遇を表しているポイントが
2つある
と思っています。
 
 
まず1つ目。
スペイン語の翻訳字幕が出るタイミング
 
メキシコの地でスペイン語が分からないマイクは、
常に通訳を介してコミュニケーションをします。
 
この際、普通ならスペイン語に翻訳字幕を入れますが、
あえていれてません。
 
なので観客とマイクの認知が同じになるんです。

マイクが理解していないことは
観客も分からない。

それは、手話のシーンでも伺いしれます。
 
 
マイクは手話が使えるので、
このシーンではちゃんと翻訳字幕が入るんですね。
 
 
スペイン語の翻訳字幕が入るとき。
それが言語の壁を越えて
相互理解が深まった瞬間だと思います。
 
 
 
そして2つ目は
旅で使う車を3回乗り換えること。
 
各章で目的が変わる時、
マイクが乗る車も換わるんです。
 
あら、分かりやすい。
 
面白いのは、換わる車が新しかったり、
ポンコツだったり。
はたまた途中で車がボロボロにされたりすること。
 
常にアップデートする…新車になるわけではないんです。
 
「なぜかなぁ」と思って、ふと考えたのが、
マイクを演じたイーストウッドの映画人生に
なぞらえてるのかもしれない。ということ。
 
人生はよく道に例えられますから、
劇中の端々に出てくる哀愁のあるセリフと
あいまって、余計そう感じましたね。
 
そう思うと、最初は馬に乗っていたことも、
思うところが出てきます。
 
 
 
ただ、深みを感じる部分があるいっぽうで、
やっぱり「91歳のイーストウッド」という
体力的な限界が見える部分も。
 
ほとんどのアクションシーンで
イーストウッド演じるマイクが
棒立ちになって動かない
 
マイクに突っかかっては、
なぜか勝手にやられていく悪党たち。
 
うーん。正直、退屈と思われても
仕方がないような・・・。
 
 
あと、元の脚本が50年近く
あたためられていたこともあり、
ふしぶしに見られる、昭和感
 
これを、どう捉えるかは
人によって分かれそう。
 
 
 
最後に。
いろいろ書きましたが、
1ショットごとのキレイさは
「マトリックス」でも「スパイダーマン」でも
感じられなかった味わい深さがある。
 
荒野にシルエットだけ浮かぶマイクとか。
カウボーイハットを深く被りなおすマイクは、
ただただカッコいい。

以上「クライ・マッチョ」でした。

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