“読書感想”『渋滞学』

書籍

渋滞学(新潮選書)
著者:西成活裕

そんな、分野があるんだ~という驚き。

車両だけじゃなく、
分子の運動や、データの移動。
はては火事まで渋滞に結び付ける。
この独特の目線がたまらない。

それでいて、しっかり渋滞する仕組みが分かるから、
侮れない。
 
「渋滞形成のサーキット実験」と検索すると、
面白い実験が見つかる。
円周230mのさーっきとに、22台の車を等間隔に配置し、
走行させる。

すると、10分後には、何台かの車が完全に停止するそうだ。
充分な車間距離が空いてないと、
速度減退したときに、後ろに伝播していって、
そうなってしまうらしい。
 
目の前の車のブレーキランプが灯ったら、
思わず、こちらもブレーキを踏む。
その流れが、連鎖しやがて渋滞を生む。
だから、坂道で起こりやすい。
やっかいなのは、
坂道がどうか分かりにくーい、微妙な坂があること。
いっぽうで、渋滞を生まない車間距離もあって。
それは、40m以上!
 
40m以下の距離しか取れなくなったら、
渋滞を警戒すべし。
まあ、警戒してどうなるものでもないかもしらんが。
 
 
そして、人である。
 
例えば、避難時。
入口に人が殺到すると、
お互いがお互いを支え合う形、
眼鏡橋のような、アーチ状態
となり、
一向に外に出れなくなる事態が発生する。
 
渋滞の原因のひとつだ。
 
それに関して、面白かったのは、
避難口の付近に障害物をわざと置くと、
避難時間が短くなる、こと。

非常口の正面からちょっと横にずらした場所に
障害物を置くと、
避難時間が短縮したそうだ。
なぜ、そんなことが起きたのか、いまだ解明されていない謎。
 
一説には入口の前でアーチが形成されないから。
だとも言われている。 
 

そのほか、アリだったり、
エレベーターだったり。
血流だったり。
 
渋滞学で、ひもとくのは流れだと思った。
一定の速度で、一定の距離を保つ流れを作ること。
それが、渋滞解消のカギ。
 
そう抽象化してとらえると、
意外と、なんにでもはまりそうな、面白い話でした。
 
裏を返せば、流れを止めたかったら、
ギチギチに詰め込めばいいわけで。。。
無駄に詰め込んだ仕事してると、
いずれ止まっちゃうよ。って話ですね。
 
 
まあ、何事も急がば回れ。ということで。

コメント

タイトルとURLをコピーしました