２って書いてあるけど、実は３作目。
ドラマも放送されるミステリの話。
ｉｎｖｅｒｔ ＩＩ 覗き窓の死角
内容
反転、再び。
出典：講談社BOOK倶楽部より引用
あなたは探偵の推理を推理することができますか？
嵐の山荘に潜む若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。
犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、すべてを見通す城塚翡翠。
だが、挑むような表情の翡翠の目には涙が浮かぶ。その理由とはーー。
『霊媒探偵城塚翡翠』シリーズ３作目。
今回は、明確に倒叙もの！
いわゆる、犯人視点で描かれるミステリ。
嵐により、山荘に閉じ込められた
クローズドサークルで起きる事件。
そして、翡翠自身が証言者となったため
完璧なアリバイを持つ犯人。
その牙城をいかに崩すかの心理戦。
この２本立て。
２本目は、翡翠の正義感は
どこから来るのか、
初めて垣間見れる話でもある。
今まで、翡翠の心情というのを、
あんまり描いてこなかっただけに、
ちょっぴり踏み込んで、新鮮だったなと。
城塚翡翠シリーズの売りは「反転」で
前２作は、物語の主軸が
最後の最後にスイッチするところに
驚きと新鮮さがありました。
叙述トリックミステリなんですけど、
「ひっくり返す部分、そこ！？」って
都度、思わされる。
だけど、今回は素直な倒叙ものになってて、
反転させてるのはトリック…な、気が、する。
充分、驚いたんだけど。
でも、やっぱり、
読み終わった後で、
物語の印象がまるで変わる前２作と
比べるとなぁ。
パンチが弱い。。。
たぶん、翡翠というキャラクターに
慣れちゃったんだろう。
裏を返せば、ここから普通に
倒叙ミステリとして進んでも、
受け入れやすくなったかも。
それとは別に、
ひとつだけ腑に落ちないのが、
後だしジャンケン的な種明かし…
真ちゃんのくだりですね。が、
「そんな理由で隠しごとしてる場合か！」とね
思わなくもない、です。
いやあ。
それにしても、このシリーズ、進めば進むほど、
女性って強かだなと思うのです。
犯人も探偵も、
そろいもそろって、おそろしくタフネス！
次回は、どんなタフネスな輩が
登場するんでしょうか。
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