映画をあらためて見たので、
これを機に原作を読んでみたよ。ってお話。
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
アンドロイドは電気羊の夢を見るか? |
翻訳:浅倉久志
あらすじ
第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では、
出展:裏表紙より
生きている動物を所有することが地位の象徴となっていた。
人工の電気羊しかもっていないリックは、本物の動物を手に入れるため、
火星から逃亡してきた〈奴隷〉アンドロイド8人の首にかけられた莫大な懸賞金を狙って、
決死の狩りをはじめた!
現代SFの旗手ディックが、斬新な着想と華麗な筆致をもちいて描きあげた
めくるめく白昼夢の世界!
映画『ブレードランナー』の原作。と言われない限り、
同一作品とは思えないほど内容が違う。
映画は設定だけ共有したIF作品と言われても納得できる。
特に違うのは、生き物への渇望が印象的。
人間はおろか、動物すら、ほぼほぼ絶滅した世界。
羊や馬など、命あるものは家畜でも高額取引され、
所有しているだけで上流階級とみなされる。
養えるほどの財力を持っている証でもあるし、
何より、気にかけられるほどの思いやりを持っている証でもある。
つまり、人間らしさの部分。
人間の能力は共感である。と繰り返し劇中で語られます。
けれど、
この共感を物理的に作れる装置が物語の中で出てきて、
人間らしさの根本の部分を揺るがされてしまう。
タイトルの「夢」とは生きる目的という意味での夢だと思うのだけれど、
アンドロイドも夢を見れたらば、
ますます、人間らしさとは何でしょう?
主人公デッカードも、
自分が人かアンドロイドか曖昧になっていきます。
はじめてに、映画とこの小説では、内容が違うと書きましたけど、
変わらない部分もあります。
それが「人かアンドロイドか曖昧になる」部分。
人を人たらしめているのは何でしょうか。
そんなことを考えたくなる小説でした。
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