読書感想“点火! ―液体燃料ロケット推進剤の開発秘話―”

書籍
点火! ―液体燃料ロケット推進剤の開発秘話―
著者・ジョン・D・クラーク 翻訳・高田 剛

ロケットエンジンは、
外気を取り込む構造になっていないため、
燃料だけあっても、燃やすことができないんだそう。
そのため、火を点けるための酸化剤が必要である。と。
 
あんまり、ピンと来ないかもしれないけど・・・。
ちなみに同じく空を飛ぶためのエンジン、
ジェットエンジンは、外気を取り込めるので、
燃えるなら燃料は何でもOKという具合だ。
 
 
そんなこんなで、飛ばすのが超めんどくさいロケットは、
条件を満たす酸化剤も、ひとクセもふたクセもあって…という話。
ちなみに、この酸化剤。
酸素、硝酸、四酸化二窒素などが現在使われているのだとか。
硝酸って、個人的には理科のテストでしか使わなかったヤツ。
こんなところで、役に立ってたのか…知らんかった。
四酸化二窒素については、聞いたこともなかった。
 
どのようにして、現在の酸化剤にまでたどり着いたのか、
その過程が描かれた本。
 
かつての酸化剤は、保存容器すら浸食してしまうこともあったそう。
浸食すると成分が変わってしまうので、
酸化剤としては劣化するのだそうだ。
 
当然、そんな劇物だから、人体にも有毒。
触れただけで、皮膚が侵され、
吸い込めば死に至ることも。
あと、とんでもなく臭くて仕事にならなかったり。
 
 
恐ろしく扱いが難しい酸化剤。
ちなみに、組み合わせる燃料によっても
適切な量や種類が変わるそうなので、
ベストマッチを見つけるために、日々研究しているのだそう。
そんな、化学者の奮闘ぶりがこの本にギュッとされている。
 
ただ、超難しい。
どう難しいかといったら、語り口調がもう化学オタクそのものなので、
(もしかしたら翻訳の問題かもしれないけど)
頭の中でかみ砕くのが、時間がかかるといったところ。
もう聞いたことない化合物のオンパレードなので、
よく分からなくなってくる。
とりあえず、ヒドラジンは覚えたぞ。
 
そんな中で、
ほんのちょっぴり理解したこととして、
ロケットエンジンに液体燃料を使う場合、
先に書いた燃料と「酸化剤」の2つ使うものを「二液式」と呼ぶらしい。
 
二があるなら一もあるということで、
主に液体水素を使う「一液式」
こちらは、酸化剤を使わなくて良いので、
エンジンを構造をシンプルにできる。
パワーがあるのは二液式らしいけど。
 
 
ロケットに明るくない自分にとっては、
こんくらいしか理解できなかったけれど。
なかなか歯ごたえのある一冊でした。
 
 
しかし、こんなロケットの技術が一番使われたのが
ミサイルだというのは、いろいろ考えちゃうなぁ。

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