読書感想 ❝オルタネート❞

書籍
オルタネート(新潮文庫)
著者:加藤シゲアキ

あらすじ

高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須のウェブサービスとなった現代。
東京にある円明学園高校で、3人の若者の運命が、交錯する。
調理部部長で品行方正、しかし、あるトラウマから人付き合いにコンプレックスを抱える 蓉(いるる) 。
母との軋轢を機に、絶対真実の愛を求め続けるオルタネート信奉者の 凪津(なづ)。
高校を中退し、かつてのバンド仲間の存在を求めて大阪から単身上京した 尚志(なおし)。
出会いと別れ、葛藤と挫折、そして苦悩の末、やがて訪れる「運命」の日。3人の未来が、人生が、加速する――。

出典:『オルタネート』新潮社公式サイトより

大きく3つのストーリーラインがありまして、
1つ、SNS
1つ、バンド活動
1つ、料理コンテスト
 
この3つのツールに『夢』をみた、高校生たちのお話。

料理コンテストの話は、一番グッときた。
これ以上に情感のこもった料理シーンを描いている小説には、
まだ出会っていない。
 
とにかく、料理の緻密な描写。
しかも既存料理ではなくて、創作料理。
不思議なのは、見たこともない料理のはずなのに、
画が頭に浮かぶんですよね。
 
 
3つの話は、並行して描かれており、
途中まで完全に別々のお話かと思いきや、、、そうでもなかった!
オルタネートは、まったく信用できない蓉と、
なんでもかんでもオルタネートを受け入れてしまう凪津とで、
対比になっていたり、
1も2もなく、行動派の尚志と、
情報いっぱい集める慎重派の凪津も対比になってたり、
そして、蓉と尚志も。。。

知らない所で、みんな「オルタネート」で繋がっている。
最後は、そんな3つの話が交差していき…。
 
 
主要3人以外にも、様々な事情を抱えた学生たちが登場します。
彼ら彼女らもまた、物語に深く関わっていき、
「青春」の一言では片づけられない、
複雑な高校生たちの群像劇になってるなと。
 
 
これって、アイドル「NEWS」の自叙伝に近いものなんじゃないかと、
勘ぐっちゃうわけで。
加藤シゲアキさんというよりも。

別々の物語だと思ってた、1人1人の話が
1つに集約して。
個々の人生がグループになることで
また新しい人生を作っていく流れとか、
詳しい内容は伏せるけど、「分かれ」、「旅立ち」も
あったりとかさ。


なんか、そんな気がした。
個人的な感想だけれども。

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