キリンを作った男―マーケティングの天才・前田仁の生涯―
あらすじ
「スーパードライ」がビール市場を席巻していた1990年。
かつての絶対王者キリンは「一番搾り」を世に送り出した。
「間違いなく赤字になる」。
一番搾り麦汁のみを使用するコンセプトに生産部門は猛反発。
だが、前田仁とそのチームは不屈の魂で突き進む。
「淡麗」「氷結」でも鮮やかな成功を収めた前田。
そのキャリアは決して順風満帆なものではなかった。
あなたの胸を熱くする本格企業ノンフィクション。出典:裏表紙より
ノンフィクションものは、はじめて読む。
「ビール戦争」とでも言うべきシェア争い。
相手を出し抜く駆け引きは、
『三国志』を読んでいるかのような緊張感がありました。
前田さんが知略に長けた曹操に見えてきます。
本人がご存命なら聞けたかもしれない話も、
推論でしか語れないので、
その雰囲気もいっそう『三国志』らしい。
そして、志なかばでこの世を去ったビターな結末も。
単なるビール会社の話と思っていると、
キリンがおちいった失策は、
案外どこでも当てはまるものじゃないかと思ったりする。
それは「上手くいっているのだからこのままでいい」
これは、社内だけでは気づきにくいポイントでもあるし、
昔からいる人間だけは気づきにくいポイントでもある。
つまり、多様な視点がなければ見えない落とし穴。
本書の中では前田さんの言葉でこう語られる。
「昔話では食えない」
失敗の本質とは何かが見えてくる。
ちなみに、アサヒビール版もあるみたい。
ますます、三国志っぽいなぁ。
今度、アサヒ側の本も読んでみよう。
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