読書感想 “サピエンス全史”

書籍

では、さっそく、こちらの本の感想を。

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福
著者・ユヴァル・ノア・ハラリ  翻訳・柴田裕之

 

ヒトの学名は、ホモ・サピエンス=賢い人、という意味。

一歩引いてみると、
自分で「自分は頭いい」って言ってるような、
けっこう恥ずかしい学名だとも思う。

その「賢い」ってどういうことを指すの?を突き詰めた本。
 
 
いわく、ヒトの力は、
実体のないモノを信じられる能力。

神話、国家、貨幣。

これらは、そのものでは何にも力をもっていない。
みんなが信じることで、初めて抗力を持つ。
 
若干、哲学かもしれないけれど、
神様がいる。と思っている人の中にしか神は存在しないし、
今住んでいるのは「日本」という国の認識がなければ、
そこはただの土地でしかない。
貨幣も、みんなが100円の価値がある。と思わなければ、
何とも交換することはできない。
当然ながら、100円玉は食べられないし、着ることもできない。
 
 
この信じる力は、赤の他人とも繋がれる力がある。
サッカーやアイドルとか
“知ってる”同士で、意思疎通できる。
 
これは、どのくらいすごいことかというと、
ヒト以外の動物は普段、自分の縄張りを守る。めったに離れない。
それは、実体のある周囲の者たちだけしか認識できないから。
 
けれど、、例えばサッカーのルールを知っていれば、
それで、サッカーを通してお互いを認識し合える。
同じ立場になれる。
ルールそのものは、やっぱり実体がなく。
手で触ることもできない。概念でしかない。

この虚構を信じるチカラは、
年齢、性別、国境を越えて、仲間になれる。
 
それがサピエンス。
 
 
だから、全くの赤の他人でも1つにまとまる。
ワールドカップで、国の代表に熱狂できるのも、
その信じるチカラがあるからこそ。

しかし、そのチカラを使った過激な例が戦争だったりする。
そうなってくると、“賢い”の基準ってなんだろう。

とまあ、そんな話だと思いました。

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