“Skype怖い”SNS -少女たちの10日間- 感想

映画

Skypeの着信音に
恐怖を感じたのは初めて。

そんな現代の闇ともいうべき、
リアルホラー映画の話。

SNS -少女たちの10日間-

SNS-少女たちの10日間ー [ (ドキュメンタリー) ]

データ

公開:2020年(日本では2021年)
製作国:チェコ

あらすじ

3名の成人した女優たちが、
12歳の少女になりきって
SNSをするとどうなるのか?
10日間の実験を行ったドキュメンタリー。
 
「12歳の少女」にコンタクトしてきた
成人男性は、なんとのべ2458人。
 
彼らの大多数はビデオセックスを要求し、
ポルノへのリンクを送信し、
なかには恐喝する者も・・・。
 
今、子どもたちが直面している性被害の
実態を浮き彫りにしていく。

原題はV síti チェコ語でネットワークという意。
 
近年、Z世代という言葉が生まれています。
SNSと密に接している子どもたちのことで、
ネットを通じたコミュニケーションに長けた世代とも
いえます。
 
いっぽうで、
大きな問題も生まれています。
それは、未成年の性的搾取。
 
この映画では、
実際、どんなことが横行しているのか、
垣間見ることができるのですが。。。

まあ、気持ち悪いですよ!

衝撃だったのは、
SNS登録直後に50代のオッサンが
いきなり自分のオナニー見せつけてくるところ。

最初からアク強すぎない?

まあ、映画の最初だから
インパクト強い人を頭に持ってきたんだろう。
と思いきや、
以降もそんなことしてくる連中ばっかりで。

時間経過とともに嫌悪感が増していく、
いや、こんなにいるんだね。
自分の欲望を満たすことしか考えていないやつ。
 

大体のやつが 
「裸みせて」「オナニーの経験は?」
「ホテルに行こう」と言ってきます。

最初は「撮られてるとも知らないで
本当にゲスいなあ。」って
笑ったんですが、
徐々に笑えなくなってくるんですよね。。。
 
 
 
 
「SNS 少女たちの10日間」では
初めにルールが提示されます。

実験に使うSNSは二つで、
フェイスブックとSkype。

Skypeはビデオ通話する時に使用。

そして、演者は下記の7つを守り進行します。

1.自分からは連絡しない
2.12歳であることをハッキリ告げる
3.誘惑や挑発はしない
4.露骨な性的指示は断る
5.何度も頼まれた時のみ裸の写真を送る
 ※偽の合成写真
6.こちらから会う約束を持ちかけない
7.撮影中は現場にいる精神科医や弁護士などに相談する
 
 
これらから分かる通り、
未成年ってわかってコンタクトしてくるんですよ。

しかも、裸の写真なんて送った時は、
「家族にバラまかれたくなかったら・・・」
と、恐喝してきます。
 
これ、子どもが言われたらと思うと、
どうしようもできないでしょ。
 
 
ただ意外なことに、接触してくる男性は
「小児性愛者」ではないそう。
 
小児性愛者は全体のわずか1割。
 
つまり残る9割は、性欲の捌け口にしか
思ってない人たちということ。
 
まざまざとリアルを見せつけられた気がする。
 
 
 
ここから演出面の話。

ドキュメンタリーと分類されるけれど、
実際には日本でいうところのバラエティ番組に近い。
 
スタジオに子ども部屋のセットを作ることで、
いろんなアングルから撮影を可能に。
 
撮影スタッフのほかに、
弁護士やカウンセラーも常に待機。
ケアを万全にし、のぞんでいる。

さらに、男を誘いやすいように、
女優には子どもっぽい服を着させ、
検証用のアカウントにも
子ども時代の写真を使うなど、
徹底したフェイクを仕込む。

演出がバリバリ入ったリアリティショーなので、
映画的な見やすさも担保されています。
 
 
中でもお気にいりの演出は
場面転換で印象的に使われる、
Skypeのコール音。

ビデオ通話すると、
たいていロクな奴が出てこないので、
後半は「悪夢のはじまり」を強く感じます。
 
だけど、Skype=悪夢のすり込みを利用した
はずし演出もあるので、この辺りは上手い。
 
 
 
というわけで「SNS 少女たちの10日間」の
感想でした。
 

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