あっ、どーも!
映画は好きですか?
私は好きです。
特に好みの作品繰り返し劇場に通ってしまうほど。
6度、足を運ぶ程度には
「ゴジラ キング オブ ザ モンスターズ」が好き!!
ところで、映画とは何なのか。
一言で説明できるでしょうか?
知人に問われた時、
「そりゃ、お前アレだよアレ…」などと、
上手く説明できずにモヤモヤ、モンモンとしていたところ
その疑問にドンピシャで答えてくれる本に出合いました。
それが、コチラ!
ウォルター・マーチさんという
「ゴッドファーザー」などに関わられた
名映画編集マンが、出した
エッセイ、編集テクニックに関する本です。
四六時中、映画のことを考えて考えて
何十年も考えつくしたいわばレジェンドが導き出した答え。
それは
「人間の思考に最も近い芸術」
納得しすぎて、心のモヤが晴れました。
湯船に浸かった時のような安心感。
特にガツンと心に響いたポイントを
ウォルターさんの半分も生きていないような私が
ハッとしたところ3点の感想を語っていきたいと思います。
映画は「瞬き」で作られる
映画は紛れもないアートのひとつですが、
一口にアートと言っても、絵画だったり音楽だったり様々です。
それらと一線を画すもの「時間」という概念があるのが映画です。
そのために、リアルを映し出したものではありません。
現実を切り取っているようで、
違う部分…それはカットがあること。
どういうことかというと。
ちなみに、とある私の朝のいち場面。
朝、目を開き光を確認して
布団をどけて、起き上がり、足をついて立ち上がって、
廊下を歩いてトイレに行き…
とこんな感じ。
これが映画だと、朝、目を開けた次のカットでは
洗面所で顔を洗っていることでしょう。
間の時間はなかったことになっているはず。
非連続的な一連で、全くリアルではないのに、
なぜか受け入れられる。受け入れてしまう。
世界の七不思議のひとつに加えてもいいかもしれない。
なぜなのか。
その理由として、日常でも同じことを体験しているからと
ウォルターさんは言います。
それが何かというと…「瞬き」
怒り心頭のあまり、目をカッと見開き、瞬きをまるでしない人を見たことがあると思う。
私が思うに、怒りのために瞬きをすることすら忘れてしまっているのだ。
瞬きの頻度は周囲の環境条件よりは、むしろ頭の中における感情や思考の頻度に大きく影響を受けているようだ。
瞬きというものは、頭の中で展開されている思考の分離作業を助長するもの、
または、無意識のうちに脳が行っている分離作業
「映画の瞬き 映像編集という仕事」P83より引用
つまり、瞬きで人は思考を整理している。
これが会話になれば瞬きをする瞬間がカットポイントになる。ということ。
私達も、全ての事柄をいちから順番に事細かに覚えているわけではないと思います。
重要な点だけ覚えているはず。それを生み出すのが瞬きのリズム。
瞬きが編集のリズム。。。
ここまで深く考えたことがなかった。
当たり前すぎて見落としがちなポイント。
まさに目からウロコです。
思考する余裕を与える
もうひとつ、ウォルターさんが語るポイント。
細かいディテールにこだわりすぎると
観客は参加者から観察者になってしまう。と。
作りてがやらなければならないことは観客の想像力をかきたてることであり、
説明よりも暗示の方が絶対的に効果がある
いつでも、どこかに指を差し続けているツアーガイドのようなもので、忙しい。
ガイドの指差し説明も悪くないけれど、ゆっくりと歩いて自分の目で見てまわる余裕だってほしいだろう。
自分の想像力だけで鑑賞できる余地を残す勇気がガイドになければ、
自分で自分の首を絞めることになる。
腕を引いて連れまわそうとすると、引かれる側は圧迫を感じ、しまいには怒りだすものだ。
「映画の瞬き 映像編集という仕事」P30より引用
映画に限らず、幅広く言えることかもしれない。
すごく親切なテレビドラマとか増えた気がする。
セリフで全部説明してくれるから、目をつぶってても音声だけで分かるというか。
妙な窮屈感を感じていたけど、たぶん、このウォルターさんが言っていることがしっくりくる。
カットの極意
1_感情 51%
2_ストーリー 23%
3_リズム 10%
4_視線 7%
5_スクリーンの二次元性 5%
6_三次元空間の継続性 4%
これが、何の順番かと言うと、
ウォルターさんが推奨する理想的なカットを作るための基準です。
%はそれぞれの重要度の割合。
※耳馴染ない言葉があるので私なりの解釈をいれると…
・スクリーンの二次元⇒遠近法などの立体感を出すための手法
・三次元空間の継続性⇒カットが変わってもどこに誰が立っているのか混乱しない繋ぎ方
と考えて頂ければ!違っていたらすみません!!
観客の記憶に残るものは、編集技術でもなければ、キャメラワークでも、
役者の演技でも、実はストーリーですらない。感情なのだ。
「映画の瞬き 映像編集という仕事」P34より引用
映画は時間にしばられていて、
そのため、何かを犠牲にしなければならない瞬間がくる。
そんな時は下から順番に、切り捨てていけばいい。
意外にも、リストの上位が保たれていれば下位がダメでも
観客は寛容になってくれ、
その逆はない。ということ。だそうだ。
おわりに
以上3点でした。
他にも、アナログからデジタルへの
編集マシンの変遷など面白い話はありますが、
深~い話になっていくので、今回は省略。
何か、今後に生かせそうな宝物を見つけたような。
そんな気持ちになる1冊でした。
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