エネルギーを持つものが世界を制す・・・。
目に見えない力関係をまとめた本の話。
新しい世界の資源地図
エネルギー資源といえば、
石炭、石油、天然ガス、
そして、
太陽光や風力、etc
さまざまなものがあります。
その中でも、
特に「石油」と「天然ガス」
世界で広くシェア率が高い、
主流となっている、
2つの資源を主軸に
各国がどう取り組んでいるか?
また、それによって、
どういうパワーバランスのもとに
世界経済が動いているのか?
全部6章によって
ひもといていく1冊となっております。
さらっとさわりだけ紹介。
まず、
第一章は「アメリカ」
石油、天然ガスの輸入率の高さに悩まされていた
アメリカは新しい掘削法をあみだします。
それは地中深くの“シェール層”から
石油やガスの産出を可能にするもの。
今、シェールガス、シェールオイルと
呼ばれる資源たちのことです。
この技術は、アメリカを
世界最大級の産油国にまで押し上げました。
シェールオイル、シェールガスの売買によって、
経済が潤うわけですが、
これが世界のパワーバランスを
大きく変えてしまうことに・・・。
第二章は「ロシア」
世界三大産油国であり、
天然ガスの輸出量も世界第二位のロシア。
ウクライナを通して、
欧州へガスや石油資源の
売買をしていたわけですが、
シェールの登場がそれを変えてしまいます。
欧州は、エネルギー資源を
ロシアだけに依存しすぎると危ないと
感じていたわけで。
アメリカからのシェール輸入や、
自国でのシェール採掘を
はじめるんですね。
その結果、どうなっていったのか?
第三章は「中国」
アメリカと世界を二分すると言っても
過言ではない中国。
アメリカと中国で合わせて
世界のGDP約40%
軍事費の約50%を占めるんだとか。
それほど、
中国の産業は発展してきました。
ただ、産業にはどうしても
エネルギー消費がともないます。
現在、世界のエネルギー消費の約25%は中国。
複数の国から資源を輸入しており、
特に石油は75%を輸入に頼っている
輸入するということは、
当然、海路も使うわけで。。。
なぜ、中国が海上の地図に拘るのか?
その一端が見えてきます。
第四章は「中東」
サウジアラビアをはじめとし、
多くの国が、
石油資源の輸出で経済をまわしている。
目まぐるしく、統治者が変わる
中東の国々。
ただ、いつの時代も変わらず、
石油が富と権力の象徴でした。
しかし、現在それが揺らいでいます。
その原因の一端はシェールの登場。
もう石油資源だけには頼れない現実が
中東にのしかかってきている。
そして、
第五章は「自動車」
石油、天然ガスと
切ってもきりはなせない存在。
しかし、石油に頼れなくなりつつある現在、
注目されている技術・サービスがあります。
・電気自動車
・自動運転車
・MaaS(移動のサービス化)
電気自動車と自動運転車は
なんとなく想像つくとして・・・。
MaaSとは、どういうものかというと、
スマホ一つで、近くのドライバー呼ぶことができる、
配車サービス。
送迎、相乗りのサービスでもあり、
「一人だけしか乗っていない車で渋滞する」
なんてことが軽減されるかもしれない。
さらに、この三つが組み合わさったものも
考えられているそう。
MaaSを運用するうえで
一番高いコストは人件費。
自動運転にすれば、
人件費をカットできるし、
24時間の稼働も可能。
さらに、電気で動けば
石油よりもコストを抑えられる。
結果的に石油消費も抑えられるわけだ。
第六章は「気候」
当然、石油、天然ガスを使うと
避けられない問題が、温室効果ガス。
近年の環境問題に対応するため、
さまざまな、エネルギーが
考案されてきました。
太陽光や風力。
環境問題に対応するために生まれた、
新しいエネルギーは
今、違った側面も見せています。
「いかなる経済もエネルギーが発展の要となる。」
石油や天然ガスを輸出に頼らざるを得ない国々は、
ひとたび供給が止まれば危機におちいる。
そのため、
新しいエネルギー源が不可欠。
それがクリーンエネルギーというわけ。
天然ガスの代わりに「水素」も
注目されている。
水素自動車、習ったなぁ。
そういえば。
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とまあ、以上6章から、
現在の世界の地図を見てみようという
面白い1冊でした。
石油産出国の映画が面白いのは、
エネルギー資源に余裕があるかないかは、
関係してくるのかな?
ただ、世界の勢力争いの中で
日本はどうかというと、
石油99% 天然ガス98%を
輸入に頼っている。
かつては、石油、天然ガスに加えて
原子力発電所を運用する試みを
していたわけだけれど。
今は、そうはできない。
だから、どこかの国に
資源をたてに交渉をされたら、
鵜呑みにせざるを得ない
状況なのではないかと。
そう思ってしまう。
「エネルギーを政治の
道具にしてはいけない」とは
誰の言葉であったか。
このご時世だから考えちゃうよね。
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