“自分探しの旅″ドライブ・マイ・カー 感想

映画

見たら、車に乗って
ひたすら長い道を走らせたくなる映画の話。

ドライブ・マイ・カー

出典:映画『ドライブ・マイ・カー』公式サイトより引用

データ

公開:2021年
製作国:日本
受賞:第94回アカデミー賞 長編映画賞
   第74回カンヌ国際映画祭 脚本賞ほか
 
あらすじ

舞台俳優であり演出家の家福(かふく)は、
愛する妻の音(おと)と満ち足りた日々を送っていた。
 
しかし、音は秘密を残して突然この世からいなくなってしまう――。
 
2年後、広島での演劇祭に愛車で向かった家福は、
ある過去をもつ寡黙な専属ドライバーのみさきと出会う。
さらに、かつて音から紹介された俳優・高槻の姿を
オーディションで見つけるが…。
 
喪失感と“打ち明けられることのなかった秘密”に苛まれてきた家福。
みさきと過ごし、お互いの過去を明かすなかで、
家福はそれまで目を背けてきたあることに気づかされていく。
人を愛する痛みと尊さ、信じることの難しさと強さ、
生きることの苦しさと美しさ。
 
最愛の妻を失った男が葛藤の果てに辿りつく先とは――。

出典:映画『ドライブ・マイ・カー』公式サイトより引用

 
劇場で見られるタイミングが延長されて
良かった~。
3時間は自宅で見るのは辛いので。
 
アカデミー賞で注目されたおかげですね。
というわけで、映画館で見られました。
 
 
ザ・バットマンのように「長い」と
感じることもなく、
かといって、もっと見たい!
という気にもならなかったので、
ちょうど良い尺だったんでしょうね。
 
 
私、村上春樹さんの原作は
拝読したことがないのですが、
すごい、全体的に詩的な印象を受けました。
 
セリフ回しとかじゃなくて、
なんていうんだろう。
雰囲気?としか言いようがない。 
 
 
ヒトコトで言うならば、
自分自身を見つめなおす映画。
ロードムービーですからね、
旅って大体そういうもんよ。
 
 
 
男と女
日本人と外国人
話者と手話者
 
人というのは、たくさんの言葉を使い、
コミュニケーションをする。
時には、言葉に頼らない
コミュニケーションも使う。
 
その全てを使いこなすのは不可能で、
だからこそ、言葉の裏に潜む、
微妙なニュアンスに含まれた、
本当の心のうちを伺い知ることができない。
 
でも、本当に一番わからないのは
自分自身だったりする。
 
なぜなら、相手との対話で、
自分がどう見られているのかを理解し、
自身を知っていく存在が人間だと思うから。
 
他人が分からなければ、
自分も曖昧になっていく
ものかもしれない。
 
 
 
人生はよく道に例えらえます。 
 
だから、この映画は、
ロードムービーということもあり、
今回のテーマとすこぶる相性がいい。
 
映画もまた“劇場”に
一定時間閉じ込められる“乗物”と考えれば、
観客は主人公たちに
相乗りさせてもらっているわけで。
 
 
この道を走るのが、
赤と黒のツートンカラーのクルマ「サーブ」
1978年発売のレトロ車だ。
 
車内でカセットテープをかけるシーンがあり、
ちょっと、カセットが懐かしかった。
 
 
劇中で、このサーブに乗る人物が、
時が進むにつれ、変わっていく。
 
重要な対話が行われるのは、
いつもサーブの中で。
人と人の関係性をつなぐ
ハコになっている気がしました。
 
妻と対話するときも。
秘密を打ち明ける時も。
 
座る人数、座る位置に注目すると、
関係性の変化が起こっていると
気づくと思います。
 
 
設定では、15年動かして故障無し。
ということですから、
いろんなものを見てきた、
いわば、主人公・家福の良き相棒です。
 
いろんな人間との関係性が
めまぐるしく変わる家福にとって、
唯一、壊れない関係って、エモい。
・・・エモくない?
 
 
ラストは、ネタバレしたくないから
あんまり書けないんだけど。。。

しいて書くなら、
ドライバーの左頬に注目すると、
ハッピーエンドって感じます。
 
 
以上、「ドライブ・マイ・カー」でした。

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