“俺的よく張りセット” 『四畳半タイムマシンブルース』感想

映画

好きなもの+好きなものは、
めっちゃ好きなものになるはず・・・な、
欲張りセットな映画の話。

四畳半タイムマシンブルース

出典:『四畳半タイムマシンブルース』公式サイトより引用

データ

公開:2022年
製作国:日本
監督:夏目真悟

あらすじ

8月12日。
下鴨幽水荘で唯一のクーラーのリモコンを
水没させてしまった「私」は、
突如現れたタイムマシンで昨日に戻り、
壊れる前のリモコンを持ってくることを思いつく。
しかし悪友・小津たちは勝手気ままに過去を改変。
宇宙消滅の危機を予感した「私」は慌てて回避すべく奔走する。
果たして、時空を超えた珍道中、
そして「私」の密かな恋の行方はいかに。

出典:『四畳半タイムマシンブルース』公式サイトより引用

基となった2作品は、小さい話が大仰になっていく快作で好き。

「サマータイムマシン・ブルース」は、
部室の壊れたリモコンを求めてタイムスリップする話。
・・・映画版も見たはずなんだけど、
記憶にまったく残ってない。世界七不思議のひとつ。
 
 
「四畳半神話大系」は、
冴えない大学生の「私」が、
いくつもの並行世界を覗き見る話。
TVアニメ版も見ましたね。
アニメでは、深そうで深くない「私」の言い回しを、
魅力的に描いてて、クセになる面白さでした。
 
 
この、好きなものを二つかけあわせたら、
さぞ、面白くなるに違いない!
この発想、、、天才か?
どういう風に、
二つをミックスしていくのか、
というか、混ざるのか?
そこが気になって仕方がない。
そんなわけで、劇場で見てきました。
 
 
お話の印象的には、
サマータイムマシンをベースに、
それを四畳半の登場人物が演じてる。
そんな感じ。
 
これが上手いことハマってるんですよね。
ビジュアルは、四畳半なのに、
サマータイムマシンっぽい香りがする、
不思議な感覚でした。
 
 
そういえば、、劇中に四畳半神話大系で
お馴染みのセリフがいくつか出るんだけど、
「全力であなたをダメにします」とか、
「アホです」とか。
あれ?「アホです」って使ってなかったか。
まあ、いいや。
知る人ぞ知る、リップサービスもあり、良き良き。
 
  
ただ、語りにくいんだけど、融合したら、
小さい話が小さくまとまった印象を受けたんですよね。
なんでだろう?
 
なんか、元々の話にあった、
最後に世界が広がる感じがしなかったというか。
 
 
1つ思ったのが、
全体的に舞台演劇の味付けというか。
セリフも、もっさりしてるし。
それが映画とあわないのかなぁ。
 
タイムマシンを見つけるところとか、
舞台だったら、
めっちゃ面白かったっと思うんだよね。
「これ、○○のやつじゃん!」って
ツッコんでたと思うんだ。
  
この、演劇の空気感が
合わないなぁと強く思ったのが、
タイムパラドックスに関するくだり。
未だ、どんなSFでも納得のいく理論を語ることができない、
永遠に解決しないテーマ。
これを扱って、面白い作品のほとんどは、
あんまりタイムパラドックスに意識がいかないように、
画の作り方に工夫を凝らしてたと思う。
 
ただ、この四畳半タイムマシンブルース。
全部、言葉じりで、なんとかしようとするから
ハラハラしないというか。
余計、気になるのよね。
つじつま合わないじゃんって。
 
これが、舞台だったら、
その場の空気感でギャグとして
面白かったかもしれない。。。
 
 
あと、時間の話が多いので、
妙に時代設定、いつなんだろうってのが、
気になった。 

というわけで「四畳半タイムマシンブルース」でした。
書籍版のほうも、読んでみようかな。
できれば、演劇でも見てみたい作品でした。

四畳半タイムマシンブルース [ 森見 登美彦 ]

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