“読書感想” 『運動脳』

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人類は1万2千年の間、
ほとんど変わっていない。
それは脳も同じである。という話。

運動脳

運動脳

原始人と、現代人の脳は、
ほぼ同じである。

違うのは経験だ。
 
ということは、
今、この文章を書くために使っている
パソコンも、原始人は使えるようになる。
そう考えると面白い。
 
 
では、「かしこい」とは、
何をもって「かしこい」とするのか。
著者・ハンセン氏いわく、
機能的に優れた脳波細胞がたくさんあるではなく、
脳の各領域がしっかりつながっていること。
 
脳には、創造する。体を動かす。
言葉を話す。記憶する。などなど、
各機能をつかさどる領域がたくさん分かれている。
その領域が、相互に上手く連携できるように、
神経がつながっている。それを「かしこい」とする。
そして、
身体を活発に動かすほど、
神経回路に変化を与えられる。
効果を生むのは20~30分の運動だそう。
 
 
 
脳には記憶の中枢といわれる海馬がある。
ここはストレスを抑制し、
感情を暴発させないブレーキの役割を担っている。
 
海馬の弱点は、
ストレスを感じると生まれるホルモン「コルチゾール。」
コルチゾールに過度にさらされると海馬の細胞は死んでしまう。
 
ストレスは、「負荷」なので、
実は運動もストレス。
当然、運動するとコルチゾールが増える。
やめると落ち着く。
ただ、運動を続けると、体が慣れてきて、
コルチゾールが上がりにくくなり。
分泌量が下がる。
 
そうなると、
運動以外にもストレスを感じる場面で、
コルチゾールが上がりにくくなるそう。
週二回の運動するだけで、
この効果が得られるらしい。
 
身体に負荷を与えると、脳はそれが生死をわけるほど
重要な行動だと解釈するわけ。
 
 
 
さらに、人体は
BDNF(脳由来神経栄養因子)という、たんぱく質を生む。
この機能は、ほかの物質によって脳が傷ついたり、
死んだりしないように保護する役目を持つ。
さらに、新たに生まれた細胞を助け、
細胞の成長を成長を促す。
 
BDNFもまた、運動によって増える!
それも有酸素運動だ。
 
 
 
ここまでは、脳の一種の防御反応。
それだけでなく、
運動すると海馬が大きくなるそう。
持久力系のトレーニングを3カ月続けると、
単語を記憶する能力がかなり上がる。
これは脳の血流がよくなるため。
 
さらに、答えをたくさんだす「発散的思考」
まあ、創造力のことだけど、
その能力が上がるそうだ。
 
ただ、疲労を覚えるほどやると、
かえって逆効果。
疲れるほどやると脳の血流が筋肉へと流れる。 
 
 
というわけで、
まとめると、
20~30分の有酸素運動をすべし。
それが、脳に一番良い。

 
「文武両道」という言葉があるけど、
あれば真理を言っていたわけだ。
 
 
ちなみに・・・、
雑音があっても集中する力「ドーパミン」も
運動によって増える。
うつ病も、運動によって解消する。
ほんと、悪徳商法かと疑うほどに、
万能効果が運動には詰まっている。
 
そういう理屈を
「運動脳」は教えてくれるのだけど、
一番腑におちたのはコレ。
 
移動する生物にだけ脳がある。
 
地球上に初めて現れた脳細胞の
最も大切な仕事は、
その生物を移動させること。
持久力の高い生物は脳が大きい。
 
理屈とは違う部分で、
「あーそうか」と納得した。
 
 
だから、体を動かすと脳が活発になる。
だって、脳に一番良いことをしてるんだもの。

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