直近半年に見た邦画の中で、
間違いなく1番面白い!
そんな映画の話。
Winny
データ
公開:2023年(日本公開)
製作国:日本
監督:松本優作
あらすじ
2002年、開発者・金子勇は、簡単にファイルを共有できる革新的なソフト「Winny」を開発、
試用版を「2ちゃんねる」に公開をする。
彗星のごとく現れた「Winny」は、本人同士が直接データのやりとりができるシステムで、
瞬く間にシェアを伸ばしていく。
しかし、その裏で大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされ、
ダウンロードする若者も続出、次第に社会問題へ発展していく。
次々に違法コピーした者たちが逮捕されていく中、
開発者の金子も著作権法違反幇助の容疑をかけられ、2004年に逮捕されてしまう。
サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光は、
「開発者が逮捕されたら弁護します」と話していた矢先、開発者金子氏逮捕の報道を受けて、
急遽弁護を引き受けることになり、弁護団を結成。
金子と共に裁判で警察の逮捕の不当性を主張するも、第一審では有罪判決を下されてしまう…。
しかし、運命の糸が交差し、世界をも揺るがす事件へと発展する——。なぜ、一人の天才開発者が日本の国家組織に潰されてしまったのか。
出典:映画『Winny』公式サイトより引用
本作は、開発者の未来と権利を守るために、
権力やメディアと戦った男たちの真実を基にした物語である。
Winnyを巡る事件で、
開発者が有罪になったことを知っていても、
その後、無罪になったことを知ってる人は、
一体どれほどいるのだろう?
恥ずかしながら、かくいう私もそうでした。
このWinnyが出回ったころ、高校生でしたが、
Winnyを持ってる同級生は、わりといた印象です。
ちょっとPCに明るい連中は大体もってたかな。
まあ、私は個人PCを持ってなかったので、
指くわえて見てるだけでしたが。
今でこそ、データ共有サービスは数多あり、
例えば、動画共有の有名なところはYoutube。
Twitter含むSNSもデータを共有するサービス。
個人が匿名性を保ったまま、
誰かとデータのやりとりができる。
現在のネットの主流を先取りしたかのようなプログラム。
その開発者が日本にもいた。
そして、逮捕された。
以後、そのようなプログラムを開発できない期間が続いた。
文章にすると、こんな簡潔な話。
今なら、このWinny事件をのみ込みやすいかもしれない。
Youtubeに著作権を侵害する作品がアップされた時、
Youtubeの運営を訴えて逮捕する人はいない。
アップした人を訴えるはず。
なんというか、
犯罪者探しが生んだ悲劇で、そして喜劇。
なぜ喜劇かって?
「たられば」を考えても仕方ないけど、
テクノロジーで後塵を拝す日本を見ると、滑稽な気がしない?
こういう出来事を説教くさくならずに、残せるのは映画の強みだなぁ。
劇中の「やめるのは簡単なんや」って言葉が
あらゆることにかかってて、グサグサ刺さった。
裁判、開発、汚職、警察、未来…etc
いったい何をやめたんでしょうね。。。
裁判の話だからと、ゆったりした映画かなと
構えてたんですけど、存外テンポよく進み、
金子さんが捕まるまでなんて、ちょっとした遊びもあったり、
例えば「扉開けたら違う部屋」的な編集。
ちゃんと、エンタメとして面白かったし、
途中、尋問シーンでスカッとする部分もあったりして。
だからこそ、余計に最後の判決の不可思議さが際立つ。
ちなみに、エンディングの演出で泣いちゃいました。
多くは語れないけど、『エルヴィス』方式とだけ。
最近、泣いてばっかだな。
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