RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になる |
あなたに立ちふさがる問題の解決策は専門外の所に!
寄り道やムダに転がってる。
そんな話。
大事なキーワードは、
「遅れを取ったと思わないこと。」
どういうことかと、かみ砕いていくと。。。
現代では、あらゆる分野で専門性が高まりすぎている。
誰よりも、抜きんでたかったら、ヘッドスタート。
つまり、早く始めることにある。と。
有名なスポーツ選手や、東大合格者やらの話で、
とかくメディアが取り上げるのは、
「子ども時代から始めていた。」ことばかり。
いつの間にか、早く自分の好きなものを見つけて、
早くその仕事に取り掛からなければ、平凡認定されてしまう。
そういう心理状態になっていないだろうか。
というわけで、本当に専門性を高めることは大事なのか。
考察に考察を重ねた1冊なわけです。
まず、デメリットの一つに、
ブレークスルーをしにくくなる。と書かれてます。
専門性がすぎていくと、どんどん視野が狭くなる。
専門性が細分化していき、
例えるならマトリョーシカ人形のようになっていく。
小さな人形の外に出られたと思っても、
次の少しだけ大きい人形の段階で行き詰る。
医療の世界では、
臓器ごとに担当医が分かれているとも聞く。
食道ガンの担当は、胃ガンには対応できないこともある。
このような専門性の高まりを細分化という。
ハーバード大学イノベーション・サイエンス研究所によると、
解決した問題が自分の専門分野から遠いほど、
解決できる可能性が高い傾向にあると。
専門性に特化すると、
イノベーションを生み出せると思いがちだけど、
専門化が進みすぎると、実は部外者にチャンスが生まれる。
いわゆる職人の域にいくと、
1つの分野の専門知識と、
過去に効果があった方法に頼ることしか
思いつかなくなってしまうからだ。
ここで、面白い格言を1つ。
「枯れた技術の水平思考」
むかし、任天堂の故・横井軍平が推奨した考え方。
横井の有名な話に、ゲーム&ウォッチの開発秘話があるけれど、
あれの液晶は、当時電卓に使われていたものの流用だった。
さらに、この技術は横井の最高傑作「ゲームボーイ」に受け継がれていく。
ゲームボーイの画面は、相変わらずモノクロ。
当時、カラー画面にする技術はあったにも関わらずに!
事実、カラーで遊べる携帯ゲーム機は、他社から発売された。
しかし、売り上げは圧倒的にゲームボーイに軍配が上がる。
その理由は使いやすさにあった。
性能面で劣る部分をユーザーの使いやすさでカバー。
ゲームボーイは単三電池で何日もプレイできたし、
よほどひどい落とし方をしなければ、
スクリーンにひびが入らないほど丈夫だった。
ゲーム性能の追求だけをしなかった。
言い換えれば、専門性を高め過ぎなかった。
何が言いたいかというと、
イノベーションに効果的なのは、多様性である。
何度もイノベーションを起こす人の特徴を調べていくと、
次のようなことが見えてきたそう。
「隣接する分野についての技術的な知識」
「今入手できるものの使い道を変えて使う」
「バラバラの情報を新たなやり方で結びつける」
「さまざまな情報源からの情報をまとめる」
「他の技術についてより多く読み、専門外のことに幅広く感心を持つ」
・・・・などなど
これらのことから見えてくるのは、
イノベーションは意図的に幅と非効率を持たせたほうがいい!
それを裏付けるわけじゃないけど、
コンサルティング会社、プライスウォーターハウスクーパースの子会社が、
過去10年の技術イノベーションについて調査したところ、
研究開発費と業績との間には、統計的に有意な関係が何も見られなかったそう。
(もちろん例外はある。)
テニス界のレジェンド、フェデラーもサッカー少年だったそうだし、
画期的な瞬間を作るのは、
幅広い、知識、経験が結びついたとき。
早くに専門性に特化した人よりも、
花開くのは遅くなることもある。けれど、
「遅れを取ったと思わないこと。」が重要なのである。
仕事してて、よく肌身に感じてるのは、
ゼロからイチは作れない。
新しいモノは、既存の組み合わせである。と。
だから、けっこう身に染みる本でした。
ただ、専門家になることは悪いことではなく、
知識を深めていくのは、とても大事なことなので、
そこは、間違いなきよう。
縦の知識だけじゃなくて、
横の知識にも目を向けてみようぜって話です。
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