映画感想“汚れた血”

映画

汚れたって、
けがれたって読むのか、
よごれたってよむのか、どっちなんだろう。

汚れた血

汚れた血<HDニューマスター版> [Blu-ray]

データ

公開:1988年2月(日本公開)
製作国:フランス
監督:レオス・カラックス

あらすじ

愛のないセックスで感染する病気「STBO」がまん延するパリ。
アレックスは、同じ毎日を繰り返す中で、鬱屈したものを抱えていた。
人生を変えるきっかけを探していたアレックスは、
とある盗みの仕事を引き受けてしまう・・・。

原題はMAUVAIS SANG。
悪い血という意味らしい。
 
何が悪いんでしょう、気になりますねぇ。
 
 
全般的に暗い画面なんだけど、
光の当て方、使い方が芸術的。
 
印象付けたいところだけ、
スポットで光をあてることでメリハリをつけてる。
顔だけとか、さらに細かく目元だけとか。
光や、画面の構図が
アート写真みたいで1ショット1ショット、美しい。
 
あと、何でもないところを早回しにしたり、
スローにしたり。
普通、倍速にしないところだったりするので、
そこが、ちょっと新鮮。
 
 
セリフも詩的で、
うだつのあがらない鬱屈した毎日を
「コンクリを腹に詰められてる」と言ったり。
 
こんなセリフでてくると、「フランス映画見てる!」って
気になるね。
翻訳家のセンスの可能性もあるけれど、
 
 
この映画で、最も芸術的なのは、
ジュリエット・ビノシュの美しさ。
際立ちすぎて、逆に浮いてるまである。
 
男どもが地味目な白、灰色、黒の服に対し、
彼女だけ、ブルーだったり、レッドの服で、バチバチに目立つ。
 
 
とまあ、芸術的な映像ではあるのだけど、
実は、あらすじにもある「STBO」というウイルスに関しては、
まるで、存在感がない。
無くても良かったような。。。
中盤すっかり忘れてたし。そこは気にはなる。
 
 
全編通して、一番のお気に入りシーンは。
アレックスが「人質を取ってる!」って自分に銃口向けながら
警官の前に出てくるとこ。
自分が人質とは!
妙に、感心しちゃった。

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