読書感想“新しい教養としてのポップカルチャー”

書籍

新しい教養としてのポップカルチャー

新しい教養としてのポップカルチャー ーー マンガ、アニメ、ゲーム講義
著者:内藤 理恵子

ちょっと前まで、
はっきりと線引きされていたサブカルチャーも、
今や境界は曖昧模糊に。
 
オタクは、オタクと言い張れる時代なのだ。
そうなってくると、今までメインに対しての
カウンターだった、サブカルチャーは、
もはや、サブとは言えないのではないか。。。
 
そんな文化を、哲学的に眺めるという、面白い1冊。
 
手塚治虫に見るドストエフスキーとか。
宗教の代わりとしての「マンガ」
就職氷河期と「ライトノベル」
ドン・キホーテとVRゲームの類似性
 
とか思いつかなかったなぁ。
この新たな発見感が楽しい。
  
カルチャーというぐらいだから、
日本人の考え方が詰まっているはずであり、
作品の背景には、一種の宗教的な側面や、
時代背景が加味されている。
 
だからといって、
アニメ、マンガ、ゲームの歴史を探ることが教養ではない。
まして、制作裏話を知ることでも、
技術的な気づきでもない。
 
この本が語る「教養」とは、
人を人たらしめているもの「想像力」のことだ。
 
考えてみると、アニメとかマンガ、ゲームって
ただの線と点の集合体なのだ。
そこに、たくさんの物語を描けるし、感じ取れるのは
人間の大事な部分かもしれない。
 
 

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