映画感想“アートのお値段”

映画

アートのお値段

アートのお値段(字幕版)

データ
公開:2019年8月(日本公開)
製作国:アメリカ
監督:ナサニエル・カーン

内容

サザビーズオークションを軸に、
オークション開催までの6週間、
アーティスト、ギャラリスト、評論家、コレクター、
そして、オークション主催者。

それぞれの立場から、アートの価値を問いただす。

「多くの人が値段は知っていても
価値は知らないんだ。」

コレクターのステファンさんの言葉にハッとさせられる。
アートの価値ってなんだろう?
そもそも、アートって商品なのか?
どんな需要があるのか。
 
『13歳からのアート思考』や、
『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』などの本では、
アートってアーティストとの対話であるんだ。
と語られていたが、
それは、「感性」の話であって、
市場からアートを見ると、また違った側面が見えてくる。
 
「へえ」と思ったのは、投資の対象となってるところ。
資産として、税金対策にもつながり、
後々、資産価値が上がる可能性もある。
村上隆さんが、『芸術起業論』に書いてたけれど、
知的マネーゲームであるのだ。
 
このゲームに生き残るために
分業制で、工場みたいにアートを作る、
ジェフ・クーンズさんみたいな人もいれば。
ひたすら自分の欲求のまま描き続ける人もいる。

同じアーティストでも、
向いてる方向は違ってる。
だから職業が違えばもっと、意見は食い違う。
 
 
実際のアートを買う現場は初めて見たけれど、
自分の所有している、アートと引き換えに新しく、
アートを買ってたりして。
TVを買い替えるとか、あんな感覚で買ってくんだよね。
 
投資の対象となり、高騰し続けるアート市場。
企業とアーティストのコラボも珍しくない。
どんどん、アートを欲しがり、
そうなると、過去の偉人の作品では、数が足りない。
今、まさに今、その市場を満たせるのは、「現代アート」
 
「現代アートは無限に供給できる」という言葉が
なかなか響く―。
 
 
 
この映画は、カウンター意見を交互に見せていく、
やらしい編集をしていて。
 
例えば、
「美術館で展示されるほうがいい。」という
アーティストの意見をふまえて、
オークション主催側にいる、エイミーの言葉
「美術館は墓場よ。」という、
鋭利すぎるコメントがくる。
で、そんなエイミーがアートに興味を持ったのは、
美術館での体験だという。。。
 
本来、対話してない彼らが
対話してるように見えるのは、この映画もアートかも。
 

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