むかしむかし、頑固なおじいさんがいました。
頑固すぎて、友だちも、妻も、息子さえも、
おじいさんの元を離れていきました。
とっても寂しい思いをしているおじいさんは
ある日、栗売りの女性と出会います。
栗の森のものがたり
データ
公開:2023年10月(日本公開)
製作国:スロベニア
監督:グレゴル・ボジッチ
あらすじ
ここは栗の森に囲まれたイタリアとの国境地帯にある小さな村。
第二次世界大戦は終結したが長引く政情不安が村人の生活に影を落としたまま、
今年もまた厳しい冬がやって来る。
人々の多くはここでの生活に見切りをつけ、金を稼ぎにこの土地を離れたが、
戻ってくるはずもない家族や隣人をただ待ち続ける、村に残る者もいた。
いずれにせよ、ここには夢も、未来もない。老大工のマリオもまた、家を出たまま戻らない一人息子ジェルマーノからの連絡を待ち続けていた。
出典:栗の森のものがたりのオフィシャルサイトより
ジェルマーノはどこで暮らし、何をしているのか。
できるのは、投函することのない息子宛の手紙に想いを綴っては引き出しにしまうこと。
まるで自分の心に蓋をするかのように。
まったくのイメージだけど、
全シーンに、「おじいさんは○○していました。」と
書き出しが入りそうな、
まるでおとぎ話のような映画。
物語は、過去、現在と交互に展開される。
ただ、「ここからは回想です。」と、
分かりやすいように、
本作ならではの、回想の合図がある。
それは、老大工、マリオの「うたた寝」
この回想へのトリガーも、
「おじいさんがウトウトすると、おばあさんの声が聞こえます」と、
そんな言葉が入っても違和感ない。
そして、「うたた寝」をトリガーにしたことで、
すべては、夢幻だったのか?
そんな世界観になってる。
映画全体の淡い色使いからくる、優しい雰囲気の物語は、
裏の裏を読む必要もない。
読み聞かせをされてるような気分になるので、
イイ感じにこちらも眠くなる。
ドッカンバッカンいう映画に疲れたら、
見てみると安らかになれます。
頑固で、なかなか素直になれないマリオの後悔。
その贖罪をするかのように、
偶然知り合った栗売りの女性マルタを気に掛ける。
最後の最後に、人のために行動するマリオ。
そして、良いヤツとして、友人、知人たちに語り継がれていく。
結末含めて、こういう部分もおとぎ話だなと思いました。
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