資本主義は奴隷制度なのか、否か?
1人のビジネスマンが世間に反逆する物語。
ファイト・クラブ
データ
公開:1999年12月(日本公開)
製作国:アメリカ
監督:デビッド・フィンチャー
あらすじ
保険会社に勤めるジャックは、仕事に追われ不眠症に悩んでいた。
ある日、出張先から帰ってくると、部屋が爆破されており、
住む場所を失ったジャックは、飛行機で乗り合わせたタイラーの家に泊めてもらうことに。
タイラーと酒を飲み交わしたあと、
ふとしたことから、「お互いを殴り合う」悪ふざけが始まる。
次第に、その悪ふざけは、二人のお決まりとなり、
ストレス解消法となり、別の参加者もあらわれはじめ、
ファイト目当ての男たちが集い合うように。。。
タイラーは、彼らをまとめ上げ秘密組織“ファイト・クラブ"を設立する―。
仕事に生きるのが疲れて、どうしようもない。
けど、この社会に生まれた以上、
社会の歯車としての役目もはたさなければならない。
そんな悲哀を感じる映画。
名前のイメージから、なんとなく野蛮な感じするけど、
主人公はビジネスマンのジャック。
彼が、ストレス解消にはじめた出来事が、
エスカレートして、手が付けられなくなっていく話。
ジャックは、本当に前後不覚になるほど、働きづめで、
楽しみといったら、部屋の家具を高級品で埋めるくらい。
それは、一種のステータスでもある。
もう、便利だからって買ってるわけじゃないんだよね。
ほかに金の使い道がない。そんな、ネガティブな浪費の仕方。
仕事に追い詰められすぎて、
睡眠薬でも上手く寝られなくなったジャックが出会ったのは、
性格も生きざまも全く正反対なタイラー。
まったく違う人間性なのに、妙に気の合った2人は、
悪ふざけの一貫で殴りあう。
このファイトのおかげで、快眠できるようになったジャックは、
タイラーと共にファイト・クラブへと発展させていく。
2人に同調するかのように集まるのは、
街のならず者…ではなく、ウエイターとか、清掃員などの一般の人たち。
そう!血の気の多い若者じゃなくて、
ケンカもやったことのない、超普通の人。
ある意味、資本主義のわりを食った人たち。
街の人にファイトクラブの面々がケンカを吹っ掛けるシーンがあるんですけど、
普通の人は、ケンカなんか相手にしないってことで、
軽くあしらわれていくんですよね。
なんか、底辺は相手にすらされない。と言っているようなシーンでした。
そんな、ファイトクラブの面々は、次第にテロリズム行為に走るようになり、
富の象徴を次々と破壊。
最終的に、クレジットカード会社のビル爆破を目論む。
勘の良い人は、途中で映画のある仕掛けに気づくと思う。
それは、ジャックのみならず、誰しもが心に持っている、願望の象徴。
なにがとはいえないけど、普通ならオチにも使えそうな、大ネタなんですよね。
しかし、インパクトある仕掛けを、ただの通過点として消化して、
最後の最後に、どデカい花火を打ち上げる。
あれは、もうね。。。。
なんか痺れた。すっごい皮肉的で。
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