あの時、どうしていればよかったのか?
そんな、いつまでたっても解のでない後悔を振り返る。
父と子の物語。
エル・スール
データ
公開:1985年10月(日本公開)
製作国:スペイン・フランス
監督:ビクトル・エリセ
あらすじ
1957年。スペイン北部。
ある朝、少女エストレリャは枕の下に、
父アグスティンが大事にしていた振り子を見つけた。
父は、もう家に帰ってこない―。
そう予感した彼女は、
父と一緒に過ごした日々を回想する。
内戦にとらわれたスペインや、
南の街から北の地へと引っ越す家族、
父のかつての恋人に、エストレリャは思いをはせていく。
何か、男ってなかなか弱みを見せられない、
面倒くさい強がりをするときあるな。
と、この映画みて思います。
沈黙を守り続けた父の真意に
思いを巡らせていく主人公、エストレリャ。
時折はさまる、カメラ目線は、
こちらに答えを尋ねられているような、
不思議な気持ちになる。
物語の部分に触れると、
父の事が好きなエストレリャ。
しかし、父がまだ、昔の恋を引きずってることに気づいて、
次第に、得体のしれないものを見るような表情になっていくんですよ。
この、さめていく感じは、リアルだなと。
一緒に踊ったこともある二人ですけど、
親子で会食する時には、心の壁が出来上がってますから。
だからこそ、最後のシーン。
とある長距離電話の領収書をカバンに詰め込むところ。
あのシーンが、輝いてみえるし、エストレリャの決意も見える。
とはいえ、どうも尻切れトンボな終わり方するな。
と思っていたら、
元々、3時間ある作品だったらしく、
残り半分は、現在に至っても作られていない。
本当は、どんな結末にする予定だったのか。
そんな、タラればにも思いを馳せてみても面白いかも。
あと、陰影をすごくはっきりつける画づくり、
明と暗のコントラストがキレイなのも印象的でした。
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