映画の感想 “ジョジョ・ラビット”

映画

戦争のプロパガンダとは、
どういうものだったのか?

10歳の少年が信じていた世界をユーモア交じりに語る。

そんな映画の話。

ジョジョ・ラビット

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データ
公開:2020年1月(日本公開)
製作国:アメリカ
監督:タイカ・ワイティティ

あらすじ

第2次世界大戦下のドイツ。

母親と二人暮らしする10歳のジョジョは、
空想上の友だち、アドルフ・ヒトラーの助けを借りて
立派な兵士になろうと、奮闘していた。

しかし、訓練中にウサギを殺すことができず、
“ジョジョ・ラビット”という不名誉なあだ名をつけられてしまう。

そんな中、家の中に隠し部屋があることに気づいたジョジョ。
そこにいたのは、ユダヤ人の少女エルサであった。

大戦当時は、兵隊に憧れる男の子は多かったらしい。

ある国では、
軍に入隊志願する若者の多くは、「ゲーム感覚」
年齢制限をかいくぐるために、
中には年齢を偽って入る子も多かったそう。
 
ジョジョも、そんな普通の子の一人。
 
当時の男の子の心情をユニークな方法で、映像化している。
それが、イマジナリーフレンドの存在。
フレンドに選ばれたのは、ジョジョにとって一人前の男、
当時のドイツ民の心の支えになっていた人物、
そう、アドルフ・ヒトラー!
 
たびたび登場し、ジョジョを励ましていく。
このヒトラーとジョジョのコミカルなやり取りも面白い。
 
 

明るく風刺してるけれど、
どうしても垣間見える現実がささる。

例えば、仲間たちが勇みよく出兵していくシーン。
「活躍してくるぜ!ジョジョ・ラビット」、と
ジョジョをバカにして去っていく。
それを、指くわえて見ることしかできないジョジョ。
 
後半に、戦地からドイツ兵が帰ってくるシーンがあるのだけれど、
全員、顔から生気がない。
現実を知ってしまった彼ら。ということが分かる。
 
 
つくづく、子どもが主人公っていうのが上手いな、と。
ナチスの思想を子どもに担わせる…、
か弱き存在が主張することで、
なんか、「こいつ何も分かってないな」というか、
ちょっと余裕のある目線で見れる。
これ大人が言うと、ただただ嫌な奴に見えるから。
 
 
ひとつひとつ宝物みたいなシーンが多い中、
靴紐。
イマジナリーフレンド。
これらが、分かりやすくジョジョが大人になる瞬間に関係してくる。
最後のまとめ方は、割と好き。
 
 
 
子ども目線の戦時下なんだけど、
カッコイイ大人も、もちろんいる。

それは、クレンツェンドルフ大尉!
ジョジョの家をたずねてくるシーンにて、
最初は、「いきなりだな」と思っちゃったけれど、
その後のシーンで、ジョジョが心配で来たんだと分かる。
はっきり明言はされない。されないのだが、
なぜ、心配になったのか、
簡単に推察できるので、それを思うと。。。
 
 
めちゃくちゃ痺れる大人です。

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