本の感想 “月は無慈悲な夜の女王”

書籍
月は無慈悲な夜の女王
著者:ロバート・A. ハインライン  翻訳:矢野 徹

地球の植民地として、
搾取され続けた月世界人が、地球に反旗をひるがえす。
 
その革命の手段とは、地球に隕石の雨を降らせること。

2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した!
流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取されつづけてきた。
革命の先頭に立ったのはコンピューター技術者マニーと、
自意識を持つ巨大コンピューターのマイク。
だが、一隻の宇宙船も、一発のミサイルも持たぬ月世界人が、
強大な地球に立ち向かうためには・・・・・・
ヒューゴー賞受賞に輝くハインライン渾身の傑作SF巨篇!

出典:裏表紙より

有名な古典SF
 
今やおなじみの、
左だけ機械の義手を持つ主人公とか、
人格を持ったAIとか。
 
1966年に書かれたこの本に、すでに登場している。

そう考えると、かなりの人に影響を与えたのかもしれない。
 
 
 
とにかく設定が壮大!
 
犯罪者の流刑地になっていた月。
地球中から人が送られたため、人種のるつぼと化していた。
そこで刑務作業をさせていたのだが、
長い月日が経ち、
“月”で生まれた根っからの月人へと、世代が移り変わっていく。
 
世界中の人種が混ざっていったため、
人種という概念がなく、あえて言うなら月世界人。
 
彼らは、犯罪とは縁もゆかりもない。
にもかかわらず、
彼らを縛る規則は、旧態依然のまま。
月世界人は、己の自由のために、地球から独立すべく戦いを挑む。
 
 
何しろ、月と地球では、
規模が違いすぎるし、元々流刑地ということもあって、
地球軍の兵器には遠く及ばない。
そもそも主人公は軍人でもないし。
 
この圧倒的、戦力差をひっくり返すために、
数々の裏工作を暗躍していく中でたどり着いた
史上最大の作戦。
それが、宇宙船のカタパルトから、岩を射出し、
地球に降らせる、というもの。
 
はたして、それは成功するのか?
 
 
地球軍も指くわえて見てるわけではないので、
生死を駆けた極限のやりとりが読み応えある。
 
 
 
ひとつだけ、難しかったのは、
翻訳がしっくりこない。

文節でみると、意味は分かるんだけど、
文章でみるとイマイチ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました