AI社会の足音がすぐそこまで聞こえてきます。
いや、むしろもう扉が開いて「こんにちは」と
言っているのが現代社会なのかもしれません。
果たして私はAIを使う側になるのか
それともAIに使われる側になるのか
使う側でいたい!と感じた方は
この本をお読みください。
著書の細谷さんは、初っ端からかましてくれます。
「分かるやつ、分かりたいやつだけ着いてこい!」
こちらに理解しようという姿勢がなければ、
置いてけぼりをくらうことでしょう。
気付いたら細谷さんが
はるか彼方、点になって見えています。
それは自分の周りにもいませんか?
同期なのに、もう手が届かない領域に行った人。
今からでもそこに行きたい!!
私なりに、くらいついていった結果を
一部まとめてみましたので、
どうぞよろしくお願いします。
抽象は悪いことではない
そもそも抽象と聞いてどんな印象を抱きますか?
「抽象画」や「政治家の公約」のように
訳が分からない、理解できない。ことが多々あります。
その結果、ネガティブなイメージがついているのでは?
でも、「抽象」は日々のコミュニケーションで
とても役立っています。
本書では会議後の一幕を例に書かれていました。
Aさん「本は本棚に返して、お皿は食器に戻して、
文房具は総務部に持っていって、飲み物は冷蔵庫に…」Bさん「要は『片付けろ』ってことですね?」
「具体 抽象トレーニング」P27より引用
「片付けて」という言葉に全ての意味が含まれているので、
具体的にしゃべるよりも簡潔で伝わりやすくなります。
もうひとつ分かりやすく抽象的なものがあります。
それは、お金です。
はるか昔、物々交換していた時代から、
お金という概念で価値を分かりやすくしました。
知識のピラミッド
抽象の持つ力が分かったところで、
抽象と具体の関係性を
細谷さんはピラミッドで表現しています。
「具体 抽象トレーニング」P4より引用
横が知識量、つまり具体。
縦が抽象度。
抽象度という言葉自体が分かりにくい!
なら、こう覚えてください「考える力」
もちろん、どちらも大事です。
横が小さくても、縦が小さくても
ピラミッドは歪な形となりますから。
知識量はネットの力によって
だいぶ補われてきました。
それを利用するAIが横の役目を担うことも
増えてきましたね。
では私たちはどうするか?
縦の力を伸ばそうよ!って話です。
大半の人は知っていると思いますが、
「正解はひとつじゃない」ことが多いものです。
知識の世界では「正解はひとつしかない」のです。
よって、具体的でしかものを考えられないと、
様々なコミュニケーションの壁にぶち当たります。
「抽象」の力
片付けの例のように、
抽象は物事に線引きをし「一言」でまとめる力があります。
要は、客観的にし一般化してしまう。
対する具体は個々の意見、現場の意見です。
よくある、上司の意見と現場の意見の対立とは
抽象的に見るか、具体的に見るか。
2つの異なる視点で見ているため起こりやすいことなのです。
かなり良い例えが載っていました!
「タンメンを食べに行こう」より「ラーメンを食べに行こう」
「具体 抽象トレーニング」P104より引用
「ラーメンを食べに行こう」より「中華料理を食べに行こう」
「中華料理を食べに行こう」より「何か食事をしに行こう」
徐々に抽象度が上がっていくのが分かります。
意外と上司は現場の声を分かった上で、
意思を決めているのかもしれません。
そして、これを理解していないと、
SNS上でも度々見かける不毛な争い
「かみあってない」感を抱く会話になりがちです。
おわりに
この他、本書には
「選択肢を増やし、自由度をあげる」
「物事の優先度をつけやすくなる」
など、抽象的なものの考え方について
詳しく解説されております。
それらも、すっっっごく「なるほど」と
思うことばかり。
きっと、読んだ人の立場によって
重要ポイントは変わることでしょう。
ただ確実に今後の世の中を生きる上で
ヒントを得られるのではないかと思いました。
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