【動画編集の息抜き本】「三体」SF超大作!

書籍

「ぼくはなにも知りませんよ。
ただ、想像もつかない力が
科学を殺そうとしているような気がします」

「三体」P78より引用

もし、
地球上の物理法則が全て信じられなくなったら?

重力加速度も、
運動エネルギーも、
全ての化学式が答えを導きだせなくなったら?

例えば、太陽が何年も昇らなくなるような―

果たして私たちは何を信じれば良いのだろう。

三体 [ 劉 慈欣 ]

中国発の傑作SF小説。
作者は劉慈欣(りゅうじきん)さん、
本職は発電所のエンジニアだそう。

これ、そんじょそこらの小説と
比べものにならなない読み応え!
なんと総ページ数433!

えっ、433?!

しかも文字の大きさも文庫本なみの小ささ。で!

「腕をまくらなければ」と気合いれて本作に挑みましたが、
実際は気が付いたら読み終わってました。

もう、面白いんだから!

さて、本作には輝かしい経歴があります。

2015年 ヒューゴー賞長編部門 受賞

ヒューゴーは世界最大のSF賞といわれ、
これはアジア初の快挙だそうです。
ちなみに、英語圏以外で書かれた作品が
受賞するのも初めて。

もともと2006年に中国国内の雑誌で連載されたものが、
時を経て日本でも読めるようになりました。
良い時代ですね。

SFの定番といえば「宇宙」

「三体」も独自の宇宙観で書かれたもので、
「スターウォーズ」
「スタートレック」とは違った切り口です。

それがタイトルの元となった
「三体問題」です。

一般には解けないことが証明されている問題だとか。

未知の世界はSFがよだれ垂らして喜ぶ大好物の素材です。

内容はこうです。
【天体が3つあると、たがいに万有引力を及ぼし合い、
どのように運動するか】――という問いかけ。

2つまでなら、実は分かっています。
地球と月の関係ですね。

ですが、3つになると予測不能になるのです。

この難問をヒントに、
予測不能な3つの太陽を持つ惑星の文明と
地球文明との争いを描くのが「三体」です。

三体文明は、
地球文明の科学の発展を遅らせるため、
物理法則を捻じ曲げてきます。

科学について詳しくない方でも、
意識の外で科学を拠り所にしていたりします。

たとえば、日本でいうと
夏は日が昇るのが早く
冬は日が昇るのが遅い

とか。

理屈は知らなくても
そういうものだって知っているはず。

科学で説明できるものがなくなったら、
大変なことになりそうです。

そして大変なことになるかは―
まだ分かりません!

なぜなら、「三体」は三部作で
本書はプロローグにすぎないからです。

プロローグで433Pは骨太すぎるぜ。。。

入口にあたる部分ですでに、
ナノテクノロジーとか
VRスーツとか
本当に2006年の作品だったのか?
と思うほど、ワクワクするテクノロジーが
たくさん出てきます。

早く続きが読みたい!

ただ、一つ難点を上げるなら、
中国の言葉の響きが
日本人である私に馴染みがなく
人物名が中々覚えられなかったことですね。

それを危惧されていたのか、
ちゃんと人物表が別でついてきます。
これはありがたい。

それでは、この辺で。
ちょっと続き買いに行ってきます。

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