”セピア色の人間模様” アメリ 感想

映画

セピア色の思い出。
コミュニケーションが苦手な
いたずらっ子の成長物語。
そんな映画の感想です。

アメリ

アメリ [ オドレイ・トトゥ ]

データ

公開:2001年
製作国:フランス
受賞歴:カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 グランプリほか

あらすじ

過保護な両親のもと育てられたアメリは、
人と接することが苦手で、
小さいころから空想の世界が遊び場だった。
 
そんな彼女は、ある日「人を幸せにする」ことに
喜びを見出して以来、
身近な人たちにお節介を焼いてまわるようになる。
 
ただ、コミュニケーションの不得意な
アメリの人助け方法は、一風変わっていて、
それは誰にも気づかれないように
イタズラを仕掛けること。
 
やがてアメリは、ひとりの青年に恋をするのだが、
素直になれない彼女がとった行動は
やっぱりイタズラで・・・。

登場人物すべてが
コミュニケーションに難あり!

引きこもりの画家。
夫が不倫していなくなった大家。
束縛の強い男につきまとわれるカフェ店員。
従業員をけなすことしかできない八百屋。などなど。
 
なーんかモヤモヤする人たちばかり。
  
そんな彼ら彼女らが、
アメリのしかけたイタズラによって
徐々に心を開いていく。
 
なぜ、イタズラかというと、
アメリ自身も、他人に直接アドバイスできる
性格ではないからなんですね。
 
 
例えば、大家さんだったら!

かつての夫からもらったラブレターをかき集め、
1枚の新しいラブレターを作る。
それを、こっそりポストへ投函。
 
大家さんは「自分は愛されていた!」と
気持ちも前向きになり、
ポジティブな性格へと変わるのだ。
 
こっそり、誰にも気づかれないように
仕掛けたイタズラは、
まるで天使のしわざ。
 
 
ギミックを仕掛ける過程と、
引っかかる人間の驚き、
一粒で2度楽しめる、この構造は、
どことなーく「ホーム・アローン」を
思い出しました。
 
 
個人的に好きなのは
「世界旅行する小人の陶器」ですね。
これが、どういうイタズラかというと・・・。
書かないほうが良いか。
 
 
アメリのイタズラ集は面白いんですけれど、
裏を返せば、全部まわりくどいんですね。
直接言えば5秒で終わる話を、
どうしても言うことができない。
素直になれないアメリ。
 
ですが彼女がとうとう現実と向き合わなければ
ならない日がやってきました。
 
青年ニノとの出会いです。
 
初めての一目ぼれ。
なんとか自分に気づいてもらいたい!
けれど、気づかれたら何て話せばいいの?

アメリは得意のイタズラを仕掛けますが、
当然2人の仲は、ぜーんぜん進展しません。
 
そしてついに、現実と向き合う決心をするのです。
 
 
なかなか一歩を踏み出せないアメリに
ヤキモキするからこそ、
ラストは自然と笑顔になれる、
そんな映画でしたね。
 
 
だいたい結末は見えるんですが、
飽きずにみられました。

というのも、
コメディタッチのポップな演出と、
こじらせてるキャラクター達が形作る、
独特な世界観が楽しいんですよね。
 
例えば演出でいうと、
「恥ずかしくて穴があったら入りたい」感情を
アメリが水になって溶け出す。
という、凝ったCGで表現してますし。
  
キャラクターでいうと、
アメリの初恋相手のニノなんて、
ゴミ箱に捨てられた証明写真を集める趣味を
持ってます。
(それ、趣味としてどうなんだ?)
 
 
映画の中で一番、特徴的なのは「色」です。
全編通してセピア調というか。
赤と黄色が強調された色使い。
 
青色はほとんどありません。
 
人工物をのぞけば、
青色は空か海しか自然界にないため、
 
人間ありのまま自然体が一番さ。
って言ってるのかな?
考えすぎか。

というわけで「アメリ」でした。

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